「ネットワークビジネス?!・・・」
それって、『ネズミ講・・・・。詐欺・・・。マルチ・・・。』私の気持ちは沈んだ。
せっかく楽しみにしていた、アツコさん家での食事会なのに・・・。
ネットワークビジネスの負のイメージが頭を駆けめぐった。
しかし、アツコさんの食事会は、そんな雰囲気は一切なく、非常に楽しかった。
アツコさん家のキッチンは広く、アツコさんとお友達と私の3人で昼食を作った。
昼食を作りながら、アツコさんとお友達は、大学生の子供の話、エステの話や、コロナで海外旅行に行けなくなった話、高校時代の話など、楽しそうに話していた。
アツコさんのお友達の名前は、美穂さん。
アツコさんに、副業ネットワークビジネスを教えた人。
美穂さんは、アツコさんと同じくらいキラキラしている。
旦那さんは7歳年下の会社員、美穂さんいわく、子供の学費を払ったり、車を買ったり、家族を旅行に連れて行ったりなど、生活費は全て美穂さんがお金をだしているそうだ。
美穂さんは、旦那さんよりも収入があり、3年前に合同会社を設立した。
そんな2人の話を横でワクワクしながら聞いていると、いつか自分もこの2人と同じように、なれるかもしれないと思った。
食事会が終わり、来週開催されるネットワークビジネスのセミナーに参加することを、2人に約束し帰宅した。
お金に困らずに好きなことが出来る、「思い描く憧れの生活」が手に入るかもしれない。♫
家につき、洗濯物を取り込み、一息ついた時に、来週約束したW社のセミナーについてスマホで調べてみた。
「W社 被害者の会」「あんなのマルチ!ネズミ講だ!」「W社 行政処分」
さっきまでの、楽しい気持ちがふっとんだ。
W社もやっぱり、他と変わらないネットワークビジネスだったのね。
ネットワークビジネスは、私には無理!
周りに変な目で見られるのは嫌!
「お金のために友達や後輩をビジネスに誘うなんて、絶対にできない」。
いくら、アツコさんや美穂さんみたいに稼げるとしても、私は出来ない!
私はすぐ、来週のセミナーの参加をやめることを、アツコさんに伝えた。
「アツコさん、美穂さん、ごめんなさい。やっぱりセミナーは辞めておきます。今日はありがとうございました。失礼します。」
ゆうこはLINE送信ボタンを押して、アツコさんと会うのは、これから辞めておこうと、心に誓った。